家庭科室の甘い味

「いえ……」


それだけ答えると、モヤモヤした気持ちに包まれている私は黙ってしまう。


「あの……さ。もう暗いし、送るよ」


長谷部先輩は私に笑いかける。


あっ、そうだ!


さっき、名前で呼ばれた事に驚いて、気にしていなかったけど。


「一緒に帰ろう」


って言われいたんだ!!


モヤモヤしていた私だけど、長谷部先輩の笑顔と言葉で、一気に気分が上がる。


「あの……、いいんですか?」


嬉しいけど、どうして私を誘ったのかわからなかったから、恐る恐る聞いてみる。


「あぁ。じゃぁ、帰るか」


笑顔で答えてくれた長谷部先輩と並んで私は帰る事に。