「茜先輩、当たり前じゃないですかっ!俺、はるか先輩、大好きだもんっ!!」


私はいつもこんな感じで「好き」って言われる。


どうせ、冗談。


だから、私も適当に返している。


「はいはい。で、食べたいの?」


「うんっ!!」


拓真は私の隣に座り、笑顔でそわそわ待っている。


「じゃぁ、食べなよ」


「いっただっきまぁーす!」


拓真は嬉しそうに食べ始める。


「コレ、おいしい!はるか先輩っ!今度、俺の為だけに作って?」


作った者としては、こんなにおいしそうに食べてもらえるのは、すごく嬉しいんだけどね。


「なんで、アンタの為に作るのよ」


私は呆れてそう言いながら、目の前のパンプキンケーキを手に取る。