家庭科室の甘い味

そして、放課後。


帰りにグラウンドを通る度、いつも私は自然とその人を探していた。


この時は、“好き”なんて思っていなかったけど、きっと私の中では“好きな人”に、この時はもうなっていたんだと思う。


「ねぇ、はるか。“料理部に入ろうかな?”って言ってたよね?」


「うん」


「私も料理部に入る!!」


「えぇっ!?でも茜、“料理苦手”って言ってなかった?」


前にはるかが「料理部に入りたいな」って言っていた時。


私は「料理が苦手だから」と断っていた。


「うん。でも、私、食べるの好きだし。
それに、このままずっと、料理が出来ないってわけにもいかないでしょ?」


「まぁねぇ……」


「じゃぁ、決定ぇー!!」