「あぁ……、もう少しかかりそうですね」


私は、苦笑いをしながら部長を見る。


「そうみたいだねぇ。じゃぁ、遅くなりそうだから、鍵よろしくね」


山川部長は、にっこりと可愛らしい笑顔で言う。


「はい、お疲れ様です」


私が鍵を受け取ると


「ごめんね、お疲れ様」


山川部長はパタパタッと家庭科室を出て行く。


否定はしているし、本当に長谷部先輩と山川部長は付き合っていないんだろうけど。


山川部長はすごく可愛い。


長谷部先輩もきっと部長の事“可愛い”って思っているのだろうな……


そんな事を考えていたら、自然とため息が出る。