私もあの場所にいたい。


長谷部先輩の隣で笑っていたい。


でも、私はいつも見ているだけ。


拓ちゃんみたいに、私も行動しなきゃ、私の事になんか気付いてくれない。


わかっているのだけど、なかなか行動に移せない。


はぁ……


私はため息をつきながら、後片付けをしていた。


「茜ちゃん、後片付け、もう少し時間かかりそう?」


振り返ると心配そうな顔をしている山川部長が立っていた。


「あっ、えっと……」


はるか達を見ると、拗ねている拓ちゃんをはるかが宥めている。


明日、はるかの作ったお菓子を雨宮が「食べたい」と言って、それをはるかが快諾した事に、拓ちゃんが拗ねているらしい。