「これで、はるか先輩と二人きり」


「へっ?」


帰り道、いつも二人きりじゃん。


私がきょとんとしていると


「部長と一緒に迎えに来るつもりだったけど。さっき部長にお願いしたんだ。
茜先輩を呼んでくるから部長は下駄箱で待っててって」


拓真は私の隣に座り


「今日はロールケーキ?おいしそう!」


ロールケーキに手を伸ばし、食べ始める。


っていうか……


何か、いつもより椅子、近くない?


腕が触れそうで触れない距離にいる拓真にすごくドキドキしている。


「はるか先輩、食べないの?俺、食べちゃうよ?」


私の目の前にある、手をつけていないケーキを見ながら言う。


「たっ、食べるよ」


私はフォークで一口サイズに切りながら食べ始める。