家庭科室の甘い味

「でもね……、今日、放課後、拓真、教室で女の子と楽しそうに話してたでしょ?それ見た時、何かすごくムカついた」


そういえば私、拓真にムカついていたんだ。


なのに、なんで拓真の為にパンを残しておいたり、一緒に帰ったりしているのだろう。


私が黙って考えていると


「まみは……、今日話していた子は友達だよ。マネージャーやってくれている子。中学の頃から仲良いんだ。あっ、一度、家庭科室に来た事あるよ。
それに、まみと話していた内容、はるか先輩の事だから」


拓真は私を見つめたまま言う。


「私の事?」


「そう、はるか先輩の事」


拓真はそれ以上は何も言わなかった。


例え、私の事を話していたとしても。


拓真が他の女の子と、仲良さ気に話しているのを見ると、なんか苛立つ。


そんな事を考えていたら、一つ答えが頭に浮かんだ。