家庭科室の甘い味

ベンチに座り、鞄を返して貰う。


鞄の中から、拓真の為に残しておいたソーセージパンを渡す。


「ソーセージなら食べれるでしょ」


「うん!いっただっきまぁーす!」


拓真は嬉しそうに食べ始める。


「今食べなくてもいいのに」


「だって、俺、お腹空いてるんだもん」


えっ?


1年の子の作ったのを食べたんじゃ……


拓真の言葉に驚き、見つめていると


「俺、先輩の作ったのしか食べないから」


拓真は私の目を見て答える。


その拓真の言葉に私はドキッとする。