「はるかの声が聞きたくて、電話したんだ」


これも理由と言ったら、理由だ。


ほぼ毎日会っている俺達だけど、大晦日の今日は会っていない。


だから、声くらいは聞きたかったし、一緒に年を越したかった。


まぁ、“一緒に”と言っても電話越しにだけど。


『えっ!?っていうか、よく電話繋がったよね?』


はるかは今の時間に気付いたのか、すごく驚いていた。


繋がるって信じて電話をしていたけど、正直、繋がって俺も驚いた。


「でも繋がってよかったよ。だって……」


時計を見るとちょうど針が0時を指した。


「はるか、明けましておめでとう」


この言葉を一番に言いたかったから。