家庭科室の甘い味

―帰り道―


「拓真、鞄返して」


「ヤダッ!」


ヤダって……


「その中に拓真にあげようと思って、残しておいたパンが入っているのにな」


私は隣に歩く拓真に聞こえるくらいの声で、独り言のように呟く。


「えっ!マジ?やったぁー!!」


拓真はすごくニコニコして


「ちゃんと送って行くから、そこの公園行こう!」


私の手を引いて、公園の中に入って行く。