―20XX年12月31日―


夜ご飯に年越し蕎麦を食べ、部屋で歌番組を見ながら、私は年を越そうとしていた。


明日は拓真と初詣に行く。


だから、早く寝なきゃな


なんて思っていたら


プルルル プルルル……


この着信音は


拓真?


どうしたんだろう、と思いながら


「もしもし?」


『あっ、はるか?』


「どうしたの?」


『理由がなきゃ、電話しちゃいけない?』


なんて電話ごしにシュンとした声が聞こえてくる。


「いや、そういうわけじゃないんだけど……」


私が黙ると


『はるかの声が聞きたくて、電話したんだ』


いつもの拓真とは違う、少し低い声が聞こえてきた。


私はドキッとして、顔が熱くなる。