「いい香りだな」


俺は茜ちゃんの首元に顔を近付けた。


それは、甘いローズの香り。


選んでいる時、いろんな香水の香りを嗅いで


“これだ!”


って思ったんだ。


まぁ、だからどんな香りかは知っていたけど。


ただ、俺が茜ちゃんを感じたかったんだ。


「せ、先輩?」


茜ちゃんはびっくりして俺を見る。


そして俺は顔を上げ


「茜ちゃん……」


そのまま顔を近付けていく。


そして、茜ちゃんは目を閉じた。