あっ……


俺は、茜ちゃんを抱きしめている腕を緩め、机の引き出しの中に隠していた茜ちゃんへのプレゼントを出す。


そして、


「はい、これ」


茜ちゃんに差し出す。


実は、予備校の授業がはじまる前に、いろいろ探しに行っていたんだ。


茜ちゃんはリボンをほどき、包装紙を剥がす。


「あっ、香水だ。先輩つけてみていいですか?」


「いいよ」


俺が返事をすると、茜ちゃんは嬉しそうにプシュっと手首に一吹きした。


その瞬間、ふわっと香りがしたが、茜ちゃんはが手首につけた香水を首筋に馴染ませる。