いつも、部活で作った物を貰っている。


それも嬉しいのだが、料理が苦手だった茜ちゃんが、こうやって作ってくれた事がすごく嬉しかったんだ。


可愛くラッピングされた箱を開けると、中にはロールケーキが入っていた。


それを1つ取り、俺は一口食べる。


口の中に、キャラメルの味がふわっと広がり、ロールケーキのスポンジもふわっとしていて、おいしい。


「おいしい!茜ちゃん、ありがとう!!」


すると


「後、これ……」


茜ちゃんはラッピングされた袋をもう一つ、俺に渡す。


「えっ?何?ありがとう」


俺はリボンをほどき、袋の中に入っているものを取り出すと


「あっ、マフラーだ。茜ちゃん、ありがとう!」


俺は茜ちゃんの腕を引っ張り抱きしめる。


こうやって、俺の事を考えてくれている、その事が嬉しかった。