家庭科室の甘い味

だけど茜ちゃんは


「ヤダッ!」


首を横に大きく振った。


「えっ?」


それって、クリスマスイブに会えないって事?


泊まりは断られる覚悟はあったけど、授業終わりに少しは会う事が出来るだろうと思っていた。


でも、それすらダメなのか?


茜ちゃんを見つめていると


「私、先輩と一緒にいたい。だから……、聞いてみる」


えっ?


俺は一瞬、茜ちゃんの言った事がわからなかった。


えっと……


それって、茜ちゃんの親のOKが出たら、一緒にクリスマスイブの夜を過ごせるって事?


俺は自然と笑顔になり


「ありがとう。でも、ダメならダメでいいんだからな?」


そう言いながら、茜ちゃんの頭を撫でる。


たとえ、茜ちゃんの親が外泊許可をしなくても、茜ちゃんが気にしないように――…