家庭科室の甘い味

「24日の夜、うちの親、二人とも仕事で家にいないんだ」


俺は勇気を出して


「茜ちゃんが大丈夫なら……、泊まりに来ない?」


今まで、あまり一緒にいれなかったから。


俺はこの為に、勉強を頑張った。


親に何も言われないように……


だけど


「と、泊まり!?」


茜ちゃんは俺から離れ、すごくびっくりした顔をしている。


そりゃ、そうだよな。


「やっぱり、ダメだよな……。ごめん、無理言って」


駄目元で言ってはみたのだけど。


断られると、やっぱり落ち込む。


俺はそんな気持ちを隠すように、茜ちゃんの頭をグシャグシャっとして


「じゃぁ、授業が終わってから会おう。迎えに行くから」


それなら大丈夫だろう?