家庭科室の甘い味

「茜ちゃんの事、邪魔なんて思った事ないよ?それに、俺が茜ちゃんの事、嫌いになるなんて。そんな事はない」


俺がそう言うと、茜ちゃんは俺にぎゅっと抱き着く。


可愛い……


俺は左手を茜ちゃんの背中にまわし、右手で茜ちゃんの頭を撫でた。


こんなに可愛い茜ちゃんを嫌いになるなんて、ありえない。


そして、俺は、


ずっと考えていた事を言葉にする。


「なぁ、茜ちゃん。クリスマスなんだけど……。24日も25日も朝から夕方まで、予備校があるんだ」


俺は1番言いたい事が、なかなか言えないでいた。


きっと無理だろう。


そう思うけど、でも……