家庭科室の甘い味

「だから、あんな言い方になって……。余計、茜ちゃんを傷付けたよな。本当、ごめん」


茜ちゃんを抱きしめながら謝る。


守りたかったのに、俺が傷付けてしまって


本当に、


ごめんな……


「先輩は悪くないてす。私が気を付けなかったから……。だから、私もごめんなさい」


俺の腕の中で、茜ちゃんは謝る。


そして、


「ねぇ、先輩……。もう、勉強の邪魔しないから、私の事、嫌わないで……」


えっ?


俺は茜ちゃんの言葉に驚き、茜ちゃんの肩を掴んで身体を離す。


俺が茜ちゃんを嫌うはずなんてない。


どっちかって言うと


こんな俺の方が茜ちゃんに愛想を尽かされると、さっきまで思っていたのだから……