家庭科室の甘い味

たとえ、今はそうじゃなくても、俺よりも一緒にいれる雨宮に惹かれていくんじゃないか。


そんな考えが頭から離れなくなっていた。


だからって、茜ちゃんの事は手放したくはない。


でも、茜ちゃんに「雨宮の方がいい」って言われたら……


そんな事を考えながら家に帰る。


すると、俺の家の前に、茜ちゃんと雨宮が立っていた。


そして、雨宮は茜ちゃんの頭に触れ、何かを言って帰って行く。


俺は、何の躊躇いもなく、茜ちゃんに触れている雨宮に対して、ムカつきを覚えた。


そして、一人になった茜ちゃんに近付き


「茜ちゃん、何してんの?」


イライラしていた俺の表情は、多分、ムッとしていたに違いない。