家庭科室の甘い味

―次の日―


放課後、俺は図書室へ向かった。


茜ちゃんの部活が終わるまで、図書室で勉強をしようと思っていた。


でも、昨日の茜ちゃんの泣きそうな顔が、頭の中から離れない。


参考書を広げているが、俺は全く頭に入っていない。


結局、勉強ははかどらず、茜ちゃんの事ばかり考えていた。


気付けば、もう18時前。


もう部活も終わって、後片付けをしている頃だろう。


そう思いながら、家庭科室へ向かう。


ガラガラ――


家庭科室のドアを開けると、そこにはもう茜ちゃんの姿はなかった。


ドア付近にいた、料理部の1年の子に聞いてみる。


「茜ちゃんは?」


「もう帰りましたよ?」


そして、その後の言葉を聞いて


俺は固まった。