家庭科室の甘い味

俺の授業が終わるのは、21時頃。


そんな時間に一人、女の子を外で待たせていて、いいんだろうか。


ヘンなヤツが声を掛けてこないか、俺は不安だった。


茜ちゃんに何かあったら……


だから、俺はいつも授業が終わるとすぐに茜ちゃんのもとへ急いで向かう。


今日だって、すぐに教室を出たのに。


「さっき、茜ちゃんがちょっと声を掛けられてたから、助けただけだって。まぁ、そう怒るなよ」


悟の一言に俺は


「別に怒ってねぇよ。茜ちゃん帰ろう」


茜ちゃんの腕を引っ張り、歩き出す。