家庭科室の甘い味

「ありがとうございます!」


私はその箱を受け取り


「開けてもいいですか?」


私の隣に戻ってきて座った長谷部先輩に聞く。


「あぁ、いいよ」


長谷部先輩は優しい笑顔で私を見ていた。


ピンクのリボンをほどき、包装紙を剥がすと――…


「あっ、香水だ。先輩つけてみていいですか?」


「いいよ」


私は箱から香水を出し、プシュッと手首に一吹きした瞬間。


ふんわりとした甘いローズのいい香りがした。


私は、手首に付けた香水を首筋に馴染ませた。


「いい香りだな」


すると、長谷部先輩はそう言い、私の首元に顔を近付ける。


「せ、先輩?」


長谷部先輩のそんな行動に私の心臓はすごくドキドキした。


「茜ちゃん……」


長谷部先輩はそのまま顔を近づけてき、


私は目を閉じた。