家庭科室の甘い味

「おいしい!茜ちゃん、ありがとう!!」


そう言いながら、長谷部先輩は笑顔で私の頭を撫でる。


よかった、上手く作れて。


家で一人で作るのはやっぱりまだ緊張する。


部活なら、わからない事があったら、はるかに聞けるし、家では、いつもならお母さんがいるし。


でも今日は本当に一人で作った。


だから、長谷部先輩に「おいしい」と言ってもらえて、すごく嬉しかったしホッとした。


「後、これ……」


そして、私はラッピングされた袋を長谷部先輩に渡す。


「えっ?何?ありがとう」


長谷部先輩は嬉しそうに、その袋を開ける。