家庭科室の甘い味

「お風呂沸かしてくるから、部屋で待ってて」


そう言われたので、私は長谷部先輩の部屋で、いつもの場所に座り、長谷部先輩を待つ。


先輩の部屋で待っている間も、私はすごくドキドキしていた。


ガチャ――


「はい、コーヒー」


「ありがとうございます」


長谷部先輩は私の隣に座る。


「あの……、ケーキ焼いてきたんで、よかったらどうぞ」


緊張してるのがバレないように、私はケーキを渡す。


「ありがとう」


そう言うと、長谷部先輩はケーキの入った箱を開け


「うまそう」


とロールケーキを一口パクッと食べてくれた。