家庭科室の甘い味

「そろそろ、帰ろうか」


「はい……」


私は緊張しながら返事をする。


先輩の家には何回も行った事はある。


でも、初めてのお泊り。


私の心臓は、いつも以上にドキドキと早く動いていた。


泊まりって事は……


そういう事だよね?


しかも、長谷部先輩のご両親はお仕事でいない。


だから、長谷部先輩の家には私と先輩、二人っきり。


そんな事を考えていたら、ますます緊張してきて、長谷部先輩と繋いでいる手が汗ばんでくる。


緊張してるのが、先輩にバレちゃう……


繋いでる手が汗ばんでるのをバレないように、ぎゅっと手を繋がないで、ふんわりと握っていた。


そうしているうちに、いつの間にか長谷部先輩の家に着いていた。