家庭科室の甘い味

「お邪魔します……」


長谷部先輩に続いて入り、靴を揃えていると


「部屋で待ってて」


長谷部先輩の家には、もう何回も来ている。


でも、何回来ても緊張するんだ。


私は、いつものようにベッドを背もたれに座って、長谷部先輩を待っていた。


家に入れてくれるって事は、私、嫌われてはないよね?


そんな事を考えていたら


ガチャ――


長谷部先輩がコーヒーを入れて持って来てくれる。


「はい」


「ありがとうございます」


私はコーヒーを一口飲み、コップをテーブルの上に置く。


長谷部先輩は私の隣に座り


「雨宮と仲いいんだな」


「へ?雨宮?」


仲はいいけど……


いきなり何でそんな事を言われたのか、私は全くわからなかった。