家庭科室の甘い味

そんな雨宮の後ろ姿に


「ついて来てくれて、ありがとう」


と言った。


一人だったら、迷って結局来なかったかもしれない。


私は勇気を出して、インターホンを押そうと……


「茜ちゃん、何してんの?」


えっ?


声のする方を見てみると


「先輩……」


長谷部先輩が機嫌が悪そうに立っていた。


やっぱり、来ちゃダメだったかな?


「あっ、あの……」


今日、長谷部先輩の家まで来てしまった事を謝ろうとした私に


「寒いから中入る?」


表情は機嫌が悪そうで、それにそっけない言い方だったけど。


そんな言葉をかけてくれる。


「いいんですか?」


「あぁ」


長谷部先輩は鍵を開け、ドアを開ける。