家庭科室の甘い味

「でも、彼女いいの?」


いつも家庭科室で食べた後、すぐに彼女の所へ行く雨宮。


今日もすぐに帰るのだと思っていたけど


「メールしておくから大丈夫」


そう言ってくれたから、甘えて雨宮について来てもらう事にする。


後片付けも終わらせ、私は雨宮と一緒に家庭科室を出る。


長谷部先輩に会う事にすごく緊張している私に、雨宮は先生やクラスの面白い子の話で、気を紛らわせてくれた。


そして、長谷部先輩の家の前に着くと


「じゃぁ、俺、帰るわな!」


「えっ?」


「だって、長谷部先輩が出てきた時に、俺と一緒にいる方が、先輩怒ると思うけど……」


そう言うと、雨宮は私の頭をポンッと叩き


「頑張れよ」


その一言を残して帰って行く。