家庭科室の甘い味

すると


「長谷部先輩が、お前の事、嫌うなんてありえねぇーよ。先輩、お前にかなりホレてると思うけど?」


振り向くと後ろには雨宮が立っていた。


「何、悩んでいるか知らないけど、自信持てって!」


雨宮はバシッと私の背中を叩き、隣に座る。


そして、ケーキも焼き上がり、私達はバナナケーキを食べ始める。


「これ、残しておいたら?」


雨宮が食べる手を休めて不意に言う。


「どうして?」


「先輩に持って行けよ」


「でも、今日、予備校休みだよ?」


「あぁー。だから、何を悩んでるのかは知らないけど、そうやって悩んでるんだったら、直接先輩に会って話したら?って事!」


雨宮は優しく微笑む。