「あっ、あの……」


「ごめんね。急にあんな事言ったらびっくりするよね?」


助けてくれた男の人は、私からパッと手を離し


「君、あかねちゃんだろ?」


笑顔で私を見ていた。


「えっ?」


なんで、私の事、知っているの?


ますます私の頭は混乱する。


「何やってんだ?」


振り返ると


「あっ、先輩」


授業を終えた長谷部先輩が私達の側に立っていた。


「お前、遅いよ」


助けてくれた人が長谷部先輩にそう言うと


「これでも、授業終わってすぐ出てきたんだよ!」


二人の会話を聞く限り、この人は長谷部先輩のお友達なんだろうけど。