雨宮は私の隣で、机に顎を付け、足をバタバタとさせながら


「お腹空いた!」


「お前は子供かっ!」


そんな雨宮の頭をバシッと軽く叩き、とりあえずツッコミを入れる。


「仕方ないなぁ。1つだけだよ」


長谷部先輩に持って行く為にラッピング用の袋に詰めていたけど、1つ雨宮の口に入れた。


「……ん、サンキュ」


すごく満足げな笑顔の雨宮。


“みんなこの笑顔にやられるんだろうなぁ”


私はそんな事を考えながら、雨宮の顔をジッと見る。


「何?俺にホレた?」


「んなわけないじゃん!」


私が即答すると


「ひでぇーなぁ」


なんて雨宮は笑っている。


そんな冗談を言いながら、試食をしていた。