「拓真……、私も開けてもいい?」


はるか先輩は俺の腕の中から、見上げている。


「あっ、ごめん。うん、開けて?」


俺は、はるか先輩の身体を離す。


そして、はるか先輩はリボンをほどき、箱を開ける。


「あっ……、可愛い。拓真っ、ありがとう!」


はるか先輩はまっすぐ俺を見て、笑顔で言う。


よかった、、喜んでもらえて……


はるか先輩の嬉しそうな顔を見ると、俺まで嬉しくなる。


「ねっ、付けていい?」


「……っていうか、なんで拓真が聞いてくるの?」


はるか先輩は「へっ?」って感じで俺を見る。


「まっ、いいじゃん!」


ただ、俺が、はるかの綺麗な指に、指輪をはめてみたかっただけ。


そんな恥ずかしい事を言えるわけでもなく……