家庭科室の甘い味

そして、


「ごちそうさま」


そう言った後、はるか先輩にキスをする。


「拓真、甘い……」


俺の突然の行動に、顔を真っ赤にさせるはるか先輩。


「だって、今、はるか先輩が作ってくれたケーキ食べたから」


そう笑って言い、もう一度、はるか先輩にキスをする。


はるか先輩の唇から離れ、はるか先輩の顔を見ると、顔を赤くしたまま黙ってしまう。


そして、俺はそんなはるか先輩を見ながら、もう1つの袋を開けた。


中身は


「サッカーシューズを入れる袋とタオルなら、拓真、使えるかな?って思って……」


はるか先輩は小さな声で言う。


はるか先輩が、俺の為だけにご飯やケーキを作ってくれたり、俺の事を考えて、選んでくれた。


その事がすごく嬉しい。


「ありがとう、大切にするね!」


そして、俺はまたはるか先輩を抱きしめる。