家庭科室の甘い味

「ありがとう！」


はるか先輩はすごく嬉しそうな顔をして俺を見ている。


カッコイイとは言えない、いたって普通の渡し方だけど、はるか先輩が嬉しそうな顔をしてくれたから、まっいいか。


「あっ、私からも……。はいっ」


はるか先輩は２つの紙袋を差し出す。


「ありがとう！」


俺はすごく嬉しくて口元が緩む。


そして、俺は小さい方の紙袋から開ける。


中には、チョコレートのケーキ。


「部活で、チョコシフォン作った時、拓真『食べれる甘さだ』って言ってたでしょ？だから、作ってみたの」


「ありがとう」


俺はそのシフォンケーキを食べようとする。


「えっ？お腹いっぱいって言ってなかった？」


「だって、はるか先輩が作ってくれたのでしょ？それはいくらでも食べれるよ！」


そう言って、パクッと一口食べる。


「これ、美味しいよ！」


俺は、カットされた１つ分を全部食べる。