家庭科室の甘い味

しばらく、はるか先輩を抱きしめていたけど。


部屋に二人っきり。


そして、ベッドの上。


という、今の状況。


このまま、はるか先輩を抱きしめていたら、きっと俺は、はるか先輩を押し倒す。


部屋に入って、いきなりそれはないよな……


俺は抱きしめている腕の力を緩める。


それに、はるか先輩と付き合ってから、今まで俺は我慢できたんだ。


だから、まだ大丈夫。


まだ、我慢できる……


俺はそう言い聞かせる。


そして、はるか先輩の身体を離し、スッと立ち、俺はクローゼットを開ける。


部屋の片付けをたまにしてくれる母さんにバレたくなくて、はるか先輩へのプレゼントを隠していたのだ。


そして、奥から小さな紙袋を取り出し


「はい、クリスマスプレゼント」


他に渡し方があるだろっ!


自分にツッコミを入れながら、でも、何も思い付かなかった俺は、そのまま、普通に渡す。