家庭科室の甘い味

「はい、お待たせ！」


はるか先輩は笑顔で、出来た料理を並べる。


「うまそー」


テーブルに並べられた料理はどれも美味しそう。


「いただきます」


そして、出来立ての肉じゃがをパクッと一口食べる。


「美味しいっ！」


うちの肉じゃがは少し甘めだ。


いつもそればかり食べているから、慣れてはいるけど、基本甘いのが苦手な俺としては、甘さをもう少し控えめに作ってほしかった。


でも、はるか先輩の作ってくれた肉じゃがは、ちょうどいい味付け。


しかも、短時間で作ったのに、じゃがいもや人参も柔らかく、味も浸みている。


「本当？」


「うん、本当に美味しいよ！じゃがいもとかも柔らかいし、味も浸みてる」


そう言って、俺は食べ続ける。


「ふふっ、よかった」


はるか先輩は頬を赤らめて照れていた。