家庭科室の甘い味

「あっ、お久しぶりです」


はるか先輩は照れながら答えていた。


「はるかちゃん、ごめんね。ご飯まで作ってもらっちゃって」


「いえ、私こそすみません。お台所借りちゃって……」


姉ちゃんとはるか先輩が話していると


プルルル プルルル……


「姉ちゃん、電話鳴ってる」


リビングのソファーの上に置いてあった携帯を姉ちゃんに渡すた。


「ありがとう」


そう言うと、バタバタッとリビングを出て行く。


リビングには、はるか先輩と二人っきり。


「いつもは“姉ちゃん”って呼んでるんだ」


はるか先輩はボソッと呟く。


「あっ……」


いつも、はるか先輩の前では姉ちゃんの事を“姉貴”と言っていた。


ただそれは、なんか、はるか先輩の前で“姉ちゃん”と呼ぶのが恥ずかしかったから。


それともう1つの理由が……