家庭科室の甘い味

はるか先輩をじっと見ていると


「ん?何?」


「いや、先輩、可愛いなって思って」


「ちょっ……。な、何、言って……」


はるか先輩は顔を真っ赤にする。


「思った事を言っただけだよ?」


俺はにこっと笑い、はるか先輩を見る。


「バカ……」


はるか先輩は小さく呟き、俺の腕をぎゅっと掴む。


スーパーに寄り、夜ご飯の材料を買い、家に帰ると


あっ、電気が付いてる。


っていう事は……


「おかえりー」


リビングから姉ちゃんの声が聞こえてくる。


「まだ、出掛けてなかったのかよ」


「悪い?心配しなくても、もう少ししたら出掛けるわよ」


姉ちゃんは、俺の言葉に少しムッとしていたけど


「あっ、はるかちゃん。久しぶり」


はるか先輩に気付くと、にこっと笑顔を見せる。