家庭科室の甘い味

はるか先輩を迎えに行き、一緒に俺の家に向かって歩いていると


「拓真、今日、何が食べたい?」


誰も家にいないと言ったから、はるか先輩は


「ご飯を作ってもいい?」


なんて言ってくれていた。


だから、今日ははるか先輩の手料理が食べられる。


「はるか先輩が作ったのだったら、何でもいいよ!」


いつも、部活で作っている、お菓子は食べているけど


“はるか先輩の手料理”


俺はそれだけで嬉しかった。


「何でもいいって、困るんだけどなぁ……」


はるか先輩は困った顔をしている。


そんな表情も可愛いって思ってしまう。