「周りの子?うーん、えっとねぇ。……あっ、指輪とか貰ってる子が多いよ!」


「指輪かぁ……」


最近節約して、お小遣を貯めてはいたけど。


それって、俺が買える値段なのか?


俺が悩んでると


「ふふっ!ねぇ、拓ちゃん」


「なんだよ……」


普段、俺の事を“拓真”と呼ぶ姉ちゃんが“拓ちゃん”と呼ぶ時は嫌な予感がする。


俺は嫌そうな顔をしながら、姉ちゃんを見る。


「お姉ちゃん、貯金あるから、貸してあげようか?」


姉ちゃんは笑顔……


というより、何かを企んでいるような笑顔で俺を見ていた。