だから、


「ねぇ、拓真……。さっきみたいに呼んで?」


「さっきみたいって?」


「さっき……、“はるか”って呼んでくれた。……もう“先輩”はヤダ」


私はそう言って、拓真の背中に回している腕の力を強める。


「はるか……」


拓真は私の頭を撫でながら、名前で呼んでくれた。


「ふふっ、嬉しい」


私は嬉しくて顔を上げ、そのまま拓真の唇にキスをした。


私からキスをするのも初めて。


だから、拓真はすごく驚いている。


「だって、拓真に触れていたかったから……。もっと……、拓真を感じたかったから」


私は素直に自分の思っている事を言った。