ガタンッ――


「俺、本気だよ。マジではるか先輩の事が好きだ」


勢いよく立った拓真に私は抱きしめられていた。


私の身長は155cm。


そして、拓真も同じくらい。


拓真の顔は私の肩の所にあり、私の耳元には拓真の息がかかる。


「たっ……、拓真。離して……」


私は拓真の胸を両手で押しながら、恥ずかしくて俯く。


「先輩、ごめん……。でも、俺……、マジだから」


そう言うと、拓真は家庭科室の鍵と自分のと私の鞄を持って


「帰ろう。暗くなったし送ってく」


と言った。


拓真の事は“かわいい弟”くらいにしか思っていなかった私。


拓真の男の部分を見て、すごくドキドキしていた。


帰り道もどうしたらいいかわからず、私はずっと俯いていた。