私は拓真の側に行き


「拓真、帰るよ」


「明日……、雨宮先輩の為に作るんでしょ」


いや……


部活動で作るのであって、雨宮くんの為に作るってわけではないと思うけど……


「はるか先輩……」


拓真は私の方へ向き、私の両腕を掴む。


「俺以外の男の為に作らないで」


そして、私の目を真剣な目で見つめる。


普段、にこにこしている拓真。


そんな拓真の真剣な顔を見た私の心臓はドキッと高鳴る。


「なっ、何言ってんのよ。彼氏でもないのに」


ドキドキしている事がが拓真にバレないように、私は顔を逸らす。