れんは一安心する。
じゅんのこういう行動は、初めてだ。
「おい」
「な、何?」




「マネージャーになんねえ?無理言ってんのはわかってる」
マネージャー?
それはやっぱり…サッカーだよね。
「お前が来てくれれば、もっと強くなる」
れんは、その答えに即答できなかった。
元々この学校に入ったのは、テニスをするため。
強豪高で、全国大会も狙えるレベル。
もちろんサッカーも強い。

れんは昔、サッカーをやっていた。
ふうちゃんとじゅんと同じチーム。
結構強くて、色んな県に遠征にも行ってた。
けど、れんはもうサッカーやらない。
中学からそう決めて、テニスを始めた。
今はテニスが大好きだから、余計サッカーには戻らない。
これは決めた事。
だからじゅんには悪いけど、マネージャーはしない。
「ごめん。もうやらないって、決めたから」
「そっか。気が向いたら言ってな」
ちょっと残念そうだけど、分かってくれた。

キーンコーンカーンコーン
調度いいタイミングで、チャイムが鳴った。