茶色に染めた髪が、れんの顔に触れる。
じゅんの体温が伝わる。
「じゅ、じゅん…?」
「ケータイ見せろよー」
無邪気に言う。
じゅんは、人の目を気にしていない様だ。
いつもそうだった。
小さい頃からマイペースで…。
「なあ?」
「!!??」
耳元で囁かれた。
ドクン
ドクン…
心臓が、異常なくらい動いている。
「…ちょっと来て?」
「えっ??」
強引に腕を引っ張られる。
皆の注目を集めた。
注目を集めたのは、今日だけで2回目。
って、ここどこ?
どこかの扉の前。
今日入学したれんには、ここがどこだかわからない。
不安になり、じゅんを見る。
ポケットから何かを取り出した。
銀色に光る、鍵。
「ねえ、じゅんっ!」

