私はどこにでもいる普通のOLだった。

ただ人より少し暑苦しいところがあった。
曲がったことがあまり好きじゃない、仕事やプライベートにおいてもハードルを上げてそのハードルを超えることが好きだった。
今回の決心はその暑苦しい性格のおかげかもしれない。

私には付き合って1年程の彼氏がいた、友達の紹介で知り合った彼はすごく優しい、趣味が合っていたり、何事も話し合える、兄弟のように仲の良い関係だった。

そんな彼ともそろそろ結婚の話も出ていたが、彼には夢があり、私にはないという訳ではなかったが私のことよりも支えて応援したいと思っていた。
私も一応女だし、夢うんぬんより結婚して家庭を持って。。。という普通の平凡な家庭に憧れを持ちつつあった。

今まで努めていた会社は私にはとても両立はできなさそうな職場だったし、まともに働いたのはこの仕事くらい。
色んな経験をしたいと思う私は新たな業種へ挑戦し、手に職をつけつけたいと思うようになったのだ。

結婚のためもあった、彼には夢を叶えて欲しかった、ただこの不景気なご時世夢でご飯が食べれるのかが心配だった。
彼は結婚したら奥さんには専業主婦になって家に居てほしいというタイプだったのでなおさら家庭に迷惑かけずに、でも万が一の時は家計の支えになれるようこの選択をしたのだった。

できればずっと好きなことをして遊んでいたいと思っていた私が初めて他人の為に何かをしたいと思い、平凡な幸せを願っていた。

一緒に出かけたり、お酒を飲んだり、なんでも共にできる人が初めてで楽しかったし、幸せだった。

あの時までは。