なにもかもめんどくさい。


高校二年生。


一番楽しい時だ、と皆言うけれど


なんにも楽しくなんかない。


生きる意味なんかわからない。


かといって、死ぬのは怖い。


なにも、したくない。

どうして、人は生きていくの?

最近ずっとこの屋上で、空を見上げながら

そんなことばかり考えている。


「‥原、篠原!」

「こんなとこにいたのか、探したよ」


「奏巳‥」


少し汗ばんだ茶色の髪。

私を呼ぶ低い声。

この高校で知り合った、宝生 奏巳。


「どうしたの?こんなとこまで」


私は少し驚いた。