「「こら〜、私の綾を!」」

目の前に、香織ちゃんと紫織ちゃんが走って来た。

「「綾は、私の何だから。抱きつくな。」」


二人とも、こっちを睨んでいた。と言うより加賀君を睨んでいた。

「綾は、俺の彼女だからいいだろう。なぁ?」

またギュって…

『香織、紫織。あんたら何してるの!』

二人の後ろから先輩がすごい形相でやって来た。

『部活中に、いきなりどっか行かない。帰るよ!』


まだ、部活中だったらしい

「「先輩ダメです。綾が…綾一緒に行こう。こいつはいかん!」」

といいながら、加賀君から私を剥がし抱きついた。
加賀君も、すっと離した。

「先輩も来た事だから、しょうがないか。綾また明日な」

「「明日はない!」」

二人に抱かれながら連れて行かれた。


加賀君を見たが、ずっとこっちに手を振っていた。