彼氏…かぁ。
好きな人なんていたこともないし、なんだかなぁ…。
「別に今はいらない。友哉と違ってね。」
友哉は学校では指折りのチャラ男だ。
学校じゃ女の子が常に群がっている。
ぶっきらぼうで、不器用で、でも、不安なときは常に一緒にいてくれる。
「いーだろ別に。」
「あーあ。もう学校に着いちゃうよ…」
校門が見えるとかなり憂欝。
「お前女の子にモテモテだもんな〜」
「…うっさい。」
校門をくぐると、あたしよりはるかに小さくて可愛らしい女の子たちがあたしに寄ってくる。
「「おはようございます!聖歌先輩!!」」
とびっきりの笑顔でお出迎えしてくれるのだ。
「おはよう。」
「おはよ〜!!聖歌!!」
「しぃちゃん」
彼女は秋川 しおり。あたしの親友。
「今日も取り巻きさんたちすっごいねぇ〜」
「…あはは」