「なんでいんの?」






自殺と勘違いされ説教まがいなことを言われたたあの日から、奏汰とよく話すようになった。


というか奏汰は俺の左斜め前の席だった。


気づかなかった俺はどうかしてるのだろうか。


数学以外はきちんと授業を受けてまわりも知ってるつもりなんだけど。



奏汰は金髪だから目立つはずだし。





話すようになったといっても、休憩中や授業中に少し話して、たまに一緒に帰るだけだ。


いつも一緒にいるわけじゃないし、お昼も一緒じゃない。



だから俺がお昼にどこにいるのかは知らないはず。




俺はいつも1人で中庭で昼食を食べる。


中庭は心地よい風が吹き、いい感じに日が当たる。

しかし中庭は人気がなく、俺のお気に入りの場所でもある。





なのに。

今日はなぜか1人じゃなく、俺の前に笑顔の奏汰がいた。


そして冒頭部分に戻る。





「十夜(とおや)探してた」



しかも奏汰だけじゃなく、他に2人いる。


見たことない顔だ。




奏汰は俺の横に当たり前のように座り、弁当を開け、食べる準備を始めた。





「奏汰、この2人誰?」


俺は失礼のないように2人に聞こえないように奏汰に聞いた。